洞窟探検を新たな観光資源に。
新見の新たな魅力を発信中!
2022年の12月に沖縄県の西表島から岡山県新見市へ移住して来られた、岡 弘幸さん。
西表島でツアーショップを起業し、洞窟探検やカヤックのツアーガイドを10数年されていました。
コロナをきっかけに色々と考える時間があり、地元岡山にいるご両親のこともあり、岡山県新見市へJターンされました。
”海”から”山”への暮らしに180度切り替わり、一目惚れで見つけたマイホームでの暮らしがスタート。
現在、どのような仕事や暮らしをされているのか伺ってきました!
移住のきっかけ
nami
地元岡山にUターンしたきっかけや移住先として新見市を選ばれた理由を教えてください。
やはりコロナの影響は大きかったかもしれないですね。それをきっかけに、いろいろ考える機会があり、両親のこともあったので、地元岡山に帰ろうと決めました。
なぜ新見市を選んだのかというと、1番の理由に新見市に鍾乳洞が多いということ。沖縄で洞窟探検などのツアーショップをしていたので、岡山に帰っても同じような仕事はしたいなと思って探していたところ、条件がマッチしたのが新見市でした。
他にも、雪が積もる地域がある・高梁川という大きな川やダムがあるなど、自然環境が豊かな新見市がいいなと思い選びました。
岡さん
nami
そうだったんですね。沖縄に比べるとご実家もずいぶん近くなられたので、Jターンという形に落ち着いたわけなんですね。
洞窟探検について
nami
続いて仕事について教えてください。
洞窟探検のガイドをされているとのことですが、どんなことをするのでしょうか?
洞窟探検は、ライトを頼りに暗闇の中を歩きます。
初心者の方でも比較的歩きやすいコースと、アクティブ派向けの少し難易度があがるコースの2つを用意していて、アクティブなコースは、狭い岩の間をすり抜けたりほふくしたり、水が溜まっている場所はボートに乗ったりもするので、探検感がより実感できます。
どちらも、明かりと色のない世界なので、終始ドキドキ感は味わってもらえるかと思います。
今は、洞窟探検(ケイビング)ツアーのみをしていますが、いずれは川下りもしていきたいですね。
岡さん
nami
自然を利用したアクティビティが楽しめるんですね!観光地として井倉洞や満奇洞がありますが、整備されていない洞窟を探検するのは貴重な体験ができそうです。
ちなみに、参加された方の反応はどうですか?
特に都会から来た方は、洞窟に行くまでの道は草むらのとこが多く、「こんな所あるくんですかー!?」て言われるのですが、洞窟から出てきた時はそれが普通の道に感じるなど、一皮剥けるような体験をしていただけてるみたいです。
洞窟の中の世界と外の世界では、一気に世界が変わります。どこでもドアのように、入った瞬間に違う世界に入るので、非日常を楽しんでもらえるのは確かですね。
岡さん
nami
本当にそうですね!初めて洞窟に来たのですが、入り口から見るだけでも圧倒されます。
ツアーをするための洞窟はどうやって探されているのですか?
僕が所属する愛知の洞窟探検チームがあるのですが、そこから情報提供を受けて条件の見合った洞窟があれば、実際に現地へ見に行っています。
いくつかツアーの候補はあるのですが、現地調査や地主さんの許可を取るなど、安全が確認できるまでの下調べも必要なので、ツアーにするまでには時間がかかりますが。
岡さん
nami
しっかり調査をした上で、新規開拓をされているんですね。ちなみに入られた新見の洞窟の中で、好きな洞窟はありましたか?
豊永草間にある洞窟なのですが、綺麗な水が連続してたまっているところがあって、石も白くて、とても綺麗な洞窟がありました。
だけど、すごく狭くて難易度が高い場所が1箇所あるため、ツアーで行けるようにするにはなかなか難しいかもしれないです。
岡さん
nami
ぜひ行ってみたいですね!でも、安心して洞窟探検ができる環境を整えるのは大変そう…
先日、児童クラブを対象に洞窟探検をされてたという地元新聞の記事を拝見したのですが、今後も開催されるのですか?
怖がっている子もいたのですが、今後も続けていきたいと思っています。
今回は、大佐の児童クラブを対象に開催したのですが、児童クラブの先生方はいろんな体験をさせたいと思う方がされているので、お互いにとっていい関係で開催できたのは良かったなと思います。
岡さん
nami
たしかに、このような体験はとても貴重ですね。
洞窟という新見の魅力をまた一つ知れる良い時間ですね!
そうですね。新たな新見の自然美を見てもらえると思います。
新見で生まれた子の大多数が新見の良さをあまり知らずに市外へ出ている気がしています。
新見の良さを知った上で出て欲しいし、知った上で残りたいと思うきっかけになればいいなと思って、新見の魅力を伝えられる活動をしていきたいと思っています。
岡さん
nami
洞窟という新たな視点から新見市の良さを知れるのはいいことですね!
家族での新見暮らし
nami
ご家族で自然のアクティビティをされるんですか?
0歳と4歳の子がいるのですが、家族で大佐ダムや河本ダムでカヌーに乗ったり、子供を背負えるザックで山登りしたりしています。
上の子は一度洞窟の前まで連れてきてみたのですが、とてもビビっていたので、まだ少し早かったのかも(笑)
あとは、家の外でご飯を食べたりが気に入っています。
岡さん
nami
外でのご飯いいですね!ご自宅からの景色が開放感があって、とても素敵ですもんね。
ほかに、お子さんとはどんな遊びをしていますか?
畑で野菜を収穫したり、虫を捕まえたりしています。まだ小さいので、家の中での遊びが多く、室内での文化的な遊びは奥さん担当、野外は僕担当という感じです。
土日が休みになることが少ないので、先日思いつきで家族で鳥取の方に車中泊で遊びに行きました。平日なら子供を休ませればどこでも行けるので、それはそれで楽しんでいます。
岡さん
nami
車中泊旅行は自由度が高いからいいですね!
続いて、住まいについてお聞きしたいのですが、なぜ田治部という地域に住むことになったのですか?
正直いうと、あの家だから田治部だった感じです。
家は、こういう家がいいという理想があって。家がひしめき合っているところじゃなくて、ポツンポツンと家があるような場所で、庭や畑などある広い敷地がよかったんです。
探している時に、たまたま今の家がみつかり一目惚れして、家ありきで田治部を選びました。
岡さん
nami
家との出会いで決められたんですね。
大佐田治部は少し雪が降るような地域ですが、沖縄の暮らしからの困りごとなどありましたか?
やはり寒さですかね。
いまだに夫婦揃って、周りの人と寒さの感覚がちょっと違うなと思います。暑さの耐性はあるが、寒さの耐性はいまだに戻らなく、今年の冬も周りの人より寒がっていると思います。来年くらいには、戻ってほしいです。
岡さん
nami
気温が違うのはやはり大きいんですね。
今年の冬は雪が降らなくて暖冬だったのかなと思うのですが、寒さはどうでしたか?
5月くらいまで朝方はダウンを着て過ごしていました。
庭で朝ごはんを食べるのが好きなので、4月5月くらいになると外で食べ始めるんですが、寒いからダウンを着て外で食べていました(笑)
岡さん
nami
ダウンですか!?それでも、外での朝食は特別な時間なんですね。
自分好みの家づくり
nami
続いて、家について教えてください。
お気に入りのスペースがある家を、自身でDIYしているとお聞きしたのですが?
はい、ちょっとずつしています。
基本的には、ほとんどそのままですが、抜けた床があったのでそこは大工さんにお願いして、お風呂とトイレを変えたくらいです。トイレは汲み取りだったので水洗に変えたので、トイレだけ新築みたいにきれいです(笑)
今取り掛かっているのは、寝室。とりあえず暖かく寝たいと思って、断熱工事をしています。
引っ越してきた当初、夜中ふと目が覚めた時に、娘の頬を触ったんですが、死んでいるんじゃないかと思うくらいキンキンに冷えていて驚いたことがありました。奥さんからの要望もあり、今年の冬に間に合うように断熱工事を進めています。
まだ、これから取り掛かろうと思うところはたくさんあるので、時間ができればやりたくてしょうがないです!
ちなみに、外に置いてある子供のキッチンセットは僕が作りました。
岡さん
nami
手作りですか!とても可愛らしいキッチンで、開放感あるおままごとが楽しめそうですね。
DIYなどして今の暮らしを満喫されている様子がとても伝わりました!
ちなみに、”海の暮らし”から”山の暮らし”へと環境が変わったのですが、心の変化などはありましたか?
海が好きで、昔海のない場所で住んだことがあったんですが、そのときは落ち着かず、最初は本当にこんな山奥で暮らしていけるのか不安でした。
でも、いざ暮らしてみると何の問題もなかったです。たぶん、自分が好き勝手していい土地が手に入ったのが大きいのかも。やりたいことが全然追い付いていないくらいなので、そんなに海を欲していないです(笑)
ここからなら、日本海も瀬戸内海も同じ距離感の場所なので、行こうと思ったら行けますし!
あとは、ひたすら畑を楽しんでいます。
岡さん
nami
さっき畑を見させてもらいましたが、いろんな種類を栽培されていましたね。お子さんと一緒にする家庭菜園も楽しそうです。
移住して丸2年が経とうとしていますが、地域に入っての暮らしはどうですか?
1年目の時は、何をしているか知りたいと思ったので、とにかく地域活動には全て参加しました。
基本、土日にイベントしていることが多いので、2年目からは仕事との兼ね合いをみながら出れる行事にはなるべく参加して地域活動をしています。
岡さん
nami
仕事をしながら、積極的に地域活動に参加されるのは大変かもしれませんが、とてもいい関係性が作れていけてるようですね。
ちなみに地域活動で、これはいい取り組みだな〜と思う活動はありますか?
田治部の「花まつり」は、大学生も参加したりなど、いろんな方との触れ合いもあるのでアットホームでいいなと思いました。
地区では、夜の飲み会兼話し合いがあって、40代の方がすごく元気!もちろん60代70代の方もすごく元気で、その姿を見ているからか自分の年代の人が活気があってすごくいいなと感じます。
自分と同世代の地域の方が楽しいことやりたいという空気が感じられて、花火大会を復活させたいと話も出ています。
それに、地区の方々が温かく受け入れてくださって、すごく嬉しいです。思い通りの家に住めたとしても、やっぱり地域の人が歓迎してくれないと楽しい暮らしはできないと思いますから。
岡さん
nami
地域に馴染めてこそ、田舎の暮らしが楽しいものになるんですね。
ちなみに、新見市に移住されてから地域以外の方とのつながりはありますか?
そうですね、たくさんあります。
一緒に遊びに行く人、子供ありきで一緒に遊びに行く人、あと林業に携わっている人とのご縁がとても多いのにびっくりしました。仲良くなっている人の大半が林業の人が占めているかも。
新見のことを知らずに来て、まだまだわかっていないこともたくさんありますが、人を通して新見を知っていけたらいいなと思っています。これからも、面白い方と知り合っていきたいですね。
岡さん
nami
人との出会いで、新たな可能性が広がりそうですね。
最後になりますが、これからの活動や暮らしの抱負などあれば教えてください。
はい、将来は近畿から大型バスの観光ツアーを組んで、洞窟ツアーと一緒にピオーネ狩りや千屋牛などの味覚を堪能してもらい、温泉に泊まってもらうなど、新見全体を巻き込んだツアーをしたいなと思っています。
海外の方向けにも、新見の歴史や地域を伝えるツアーも開催してみたいです。
時間をとりやすい平日を利用して家族との時間を大切にしながら、仕事もプライベートも充実させていきたいです。
岡さん
洞窟探検(ケイビング)という、新見市で珍しいお仕事をされている岡さん。
新見市に昔からある、むしろ新見市にしかない自然環境を利用した地域活性を目指されているというお話やお気に入りの家での暮らしぶりなど、たくさんの話を聞かせていただくことができました。
あまり馴染みのない洞窟探検ですが、広く周知されると、新見市の新たな観光資源となりそうですね。
とても気さくにお話をしてくださった岡さんのこれからの活躍に期待です!