暮らしのリノベ 〜友人が集まりたくなるような空間に〜

移住先を探して日本全国各地をまわっていたtakaさん。
見つけたのは、梁や柱がとっても立派な古民家。そして、素晴らしい景色。
とはいえ、床がふかふか、天井は低く、すぐに住める状態ではなかったので、大規模なリノベーションを決意。

namiさんのお話で、おおよそ古民家リノベーションがどのくらい大規模なのかはわかってきたyukimi。
とはいえ、ずっと住んでいる家を知っている町でリノベするのと、全然知らないところから引っ越して空き家をリノベするのは違うはず!
ということで、約2年前に東京から移住し古民家に暮らされているtakaさんに、リノベのあれこれを伺ってみました!

 

yukimi

まず、どんな家にお住まいなんでしょうか?
空き家バンクで見つけた岡山県新見市の唐松というエリアにある、築128年以上経つという家に住んでいます。
東京から移住をしようと決め、約6年日本全国色々なところを家を見てまわっていました。実は、最後鹿児島でほぼ決めてた家があったのですが、最後のところで話がまとまらなくて、、、九州を諦め、岡山県内を色々見ていたら、この物件に出会ったのです。家から見える景色がとにかく素晴らしく、ここに住みたい!と思いました。その時は他にも県内の家を22件見てまわったのですが、帰りの飛行機ですぐに「唐松の家にしよう!」と決め、2017年の11月に移住をしました。

taka

目の前の景色(ドローン撮影)

このオレンジ色の屋根の建物が今回リノベした母屋 (築128年)

 

yukimi

築128年!立派な古民家ですね〜!今回なぜリノベーションをしたのですか? 
目指したのは、もっと生活の導線を楽にしつつも、人が泊まれる家、そして休まる家。
移住にあたり住める家でないといけないのは当然ながら、東京の友人たちが多く来てもらえるようにとも思いリノベになった訳だけど、そもそも水回りも現実に使えるレベルでもないし、部屋の奥は床が抜けているし家全体としてのレイアウトに無駄があると感じたからね。

taka

yukimi

「休まる家」ってとても素敵ですね!
具体的にどこをリノベーションしたのかもう少し教えてください!
基本家の中は正面の部屋以外は全部。
やはり古民家だから色々対処しようとうことで、耐震性のことを考えて基礎工事からやり直し。断熱も弱いところもあるのでそのあたりを意識していじっていきました。
床がふかふかなので長く気持ちよく住めるようにコンクリを入れて湿気を抑え、家の裏側は、壁全面的に取り払って新たに壁を作り直して部屋のレイアウト等も変えていきました。
あとは裏の部屋の異常に低い天井がどうにかならないかということで大工さんとも相談して天井をとりました。昔の作りなので上には梁も見えるし、天井高いのでそれを思い切ってみせる方向で、ロフトのスペースも作りました。

taka

天井をとったリビングとロフト部分への階段

抜けていた床を直し小さな部屋を繋げ、明るく綺麗で安らぐ寝室に

yukimi

とっても開放的な家ですね! どんなことを意識なさったのですか?

いくつかポイントがあるんだけど、

水回りはあまりにも風呂からキッチンが離れていたこともあって、キッチン横の部屋を少し削ってそこへ洗面所やお風呂を移動して、生活の中での移動が増えないようにしたこと。

②耐震性と断熱を意識したこと(例えば真壁を作ってもらったり、ペアガラスやダブルサッシにしたりと冷気が入る部分を抑えたところ。

電気の電線周りも古いので全部取っ払ってもらって、新たに電線を引き回しアースもしっかりととってもらったこと(パソコンと音響関係の仕事をするため)

この3つが特に意識したところだね。

taka

新しい間取り


BEFORE

1階 客間

キッチン

 

 

 

 

 

 

 

 

 


AFTER

1階 和室

カラフルで明るいキッチン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

yukimi

わー、今の開放感からは想像がつかない、少し暗い家だったんですね。 リノベーションする上で、どんなことが大変でした?
1番は、特殊なやり方をしてしまったため、現場監督さんのいない現場だったことです。
離れに仮暮らしをしながら、毎日職人さんと話をする時間を設けて彼らの不安を払拭することが大変でした。常に考えていたのは「こちらの言っている内容が正しく伝わっているのか?」なので写真を見せたりしてイメージを持ってもらうことをよくやりました。最終的には色々と覚えたし、職人さんとの信用関係も生まれたのでそこは良かったと思ってます。

taka

yukimi

「現場監督さんのいない現場」とは、なんだか想像もつかないです。他にも印象に残っていることはありますか?

 

寒い時期に、離れで暮らしながらリノベーションが終わるのを待ってたことも、実はつらくて。
極寒の中、外での作業を色々しました。ゴミを運んで整理したり、新しくつくった外壁の仕上げをしたりね。本当寒いし、知り合いもそんなにいないし、心が折れそうになることもあったけど、とにかく早く家に住みたいし、作業してくれている職人さんたちに「よくやるね」と言っていただけるほど、毎日何かしら働くようにしてました。

taka

 

新しく作ったこの外壁の仕上げは自分たちで

yukimi

心が折れそうな中、、、なんかリノベーションして住むって修行のような気がしてきました、、、
もちろん楽しかった作業もたくさんあるよ。
職人さんが漆喰を塗ったあと、自分たちで模様を入れたのはすごいいい思い出だよね。あと、僕は生まれ育った家に和室がなかったので、障子の張替えも生まれてはじめてやって面白かったな。
何より、家がどんどん明るくなっていくのはとても嬉しかった

taka

壁一面の漆喰へ柄をつける仕上げ作業

yukimi

「家が明るくなっていく」って確かにワクワクしますね! 自分たちで手を動かしたとはいえ、全体的にかなり大規模な工事のように見えるのですが、実際に費用はざっくりどのくらいかかったのでしょうか?
わかりやすいのは、土間コンいれるのに130万円。当初、土間コンということを知らず、基礎をやりなおしたあと普通に床を貼り直ししてもらおうと思っていたら、現場監督さんから「ここで土間コンを入れないか?」と聞かれ。。。
よくよく聞くと、湿気のことを考えたら、絶対土間コンにした方が良い。急遽工事をとめ銀行に走り、130万円の借り入れをさせてもらい工事を続けました。職人さんには段取りの予定変更をさせてしまったので迷惑をかけてしまい申し訳なかったけれど、長く住むことを考えたらいい判断だったと思っている。で、諸々積算していくと、トータルの工事金額はだいたい1800万円くらいだった。

taka

yukimi

なるほど。家の購入費用とリノベ代を合わせたら、結構な額ですね! でも、都内で一軒家を購入するのとは違う規模のものが購入できますね。
そうそう、東京時代の3倍の広さの家を10分の1の値段で購入&リノベができました。 1万坪以上の土地も手に入れたのに、固定資産税は10分の1。お金の観点からみても、東京の住まいを整理して、こっちに移住してこれたのは本当よかったと思っているよ。

taka

yukimi

妥協せずにちゃんと考えて進めたからこそのコメントですね!  リノベしてみての感想は?!
実際出来上がっていく家を毎日離れで生活しながら見ていたので、すごく勉強になった。今の都会の家だとプレカットといって最初から特定の形に木材をカットしてもらってそれを組み上げるので、家が建つのに一月とかで建つけれど、こちらでは全然違う。
一つ一つの木材を加工しながら形を作っていく大工さんの職人魂、昔ながらの工程を間近にいて体感できたのはよかった。
特に、壁へ漆喰を塗る際、煮込んでどろどろになった海藻を使ってお手伝いをしたのだけれど、実際に体験しつつも家を作り上げていくこの一連の作業は色々と勉強になった。
それとともに我々の友人も多くが遠路はるばる遊びに来てくれ家もそうだけど新見を気に入ってくれてる。外国人の友人も多いので、唐松の奥の集落にいけば外人がよくいるというのもここ最近の面白いところで、近所の方もすっかり外国人を見ることに慣れてきていて、移住して本当に良かったと思える瞬間だね。

taka

yukimi

これからリノベを考えているニミログ読者に伝えておきたいことはありますか?
何が重要かはその人次第になるけど、どう言ったことをしたいとかどう言った感じの家に住みたいといったイメージはクリアに持っておくことが重要だと思います。 色々と調べることも重要で、ローンを借りるのであればローンの仕組みや、税金のことなども知っていて損ではないので、色々と勉強しつつも楽しく自分好みの家を作ることを意識していれば、最高の家ができると思います!

taka

本当にいつもご家族や友人が遊びきているtakaさんの家。
私自身、何度かお邪魔させていただいたことがあるのですが、明るく開放的でとても気持ちよく、いつまでもいたくなるような居心地の良い家です。

今回のお話の中で、1番印象的だったのは、「色々と勉強しつつも楽しく自分好みの家を作ることを意識すれば最高の家ができる」ということ。日本各地を周り、6年越しで見つけた物件。そして、極寒の中、知らない土地で色々な苦労をしながら、どんな暮らしをしたいのかを徹底的に考え、ご自身も手を動かしてリノベしたからこそ、過ごしやすく人が集まる家になっているのでしょうね!

takaさんの家を中心に、この町を気に入ってくれる人が増えていく、そんな未来が見えてワクワク。これからも人が集まり、それぞれが楽しい時間を過ごし安らげる素敵な家でありますように。

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空き家に住むには? 2019年度空き家補助制度詳細

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