原木しいたけ栽培のススメ

原木しいたけ栽培のススメ

風味も香りも濃い原木しいたけ!一度食べたらもう菌床しいたけには戻れません!近くに山がある新見暮らしだからこそできる原木しいたけ栽培にチャレンジしてみました!

菌床栽培と原木栽培

椎茸栽培には、2種類の方法があるのをご存知ですか?

菌床栽培と原木栽培です。
菌床栽培は、おが屑などに米ぬかなどの栄養を混ぜた培地を使い室内で人工的に養分を与えることで本来より早いペースで収穫を繰り返す栽培方法です。スーパーなどでよく見かけ、安価に手に入るほとんどの椎茸が菌床栽培によって育てられています。

それに対して原木栽培は、原木に種ゴマを植えて2年間かけて菌糸を張り巡らせ、春と秋の気候状況によって椎茸を自然発生させる栽培方法で、育てるには広い場所と時間が必要です。

そういった訳で、一年中スーパーで菌床栽培の生しいたけが買えることはありがたいことなのですが(菌床栽培技術が普及する前までは、春秋2回の収穫期にとれた椎茸を乾燥させた干し椎茸が店頭に並んでいたはずです)、やっぱり美味しいのは原木で育てられた椎茸。

さて、今回はそんな原木しいたけを自宅で作ってみました。

まずは原木の準備を!

材料は、原木、種ゴマ、カナヅチ、シイタケ用ドリルとホームセンターで全て揃えられます。
お店によっては、すでに種ゴマが植えてある原木も売っているので初めての方はそれを購入して育ててみるのもいいかもしれませんね。

ですが、せっかくなので一から自分で始めてみましょう!
原木にはクヌギ、ナラ、シイなどのどんぐりのなる木が適しています。

椎茸以外ではナメコはブナ、サクラなど。ヒラタケはヤナギ、クワ、ポプラなどが向くようです。

原木は、林業を営んでいる主人が持ち山から調達してくれました。
作業としては、11月〜12月でナラの木を伐採し、1〜3月の間に1mの長さに切り揃えて、自宅の風通しのいい場所に積んで乾かしておきました。

まとまった本数が欲しい時は、原木の伐採を行なっている新見市森林組合で1本270円(税込)で買う事も可能です。
3月中には在庫がなくなってしまうようなので早めに電話予約されることをオススメします。

新見市森林組合
Tell 0867−72−2179

 

ドリルで穴あけ!植菌します!

そして、やっと春に植え付ける事ができます。
新見では3〜5月頃に植えつけます。

家から延長コードをひいて、ドリルで原木に等間隔で穴を開けていきます。

木だった時に根っこから水分を回す道管に沿って菌が回るようなので、もし、種コマが余ってしまったら、道管に沿って穴を増やすよりも垂直方向に詰めて穴あけすると菌が原木全体に回りやすいようです。

この時に出た木くずは、薪ストーブがあるお家ですと良い着火剤になるようです。

原木穴あけ作業こちらはニミログスタッフの1人がしいたけ植菌のイベントに参加した時のものです。
ドリルなどが無い方はこういったイベントに参加してマイ原木を作るのも良いかもしれませんね。

次は種コマの植え付け。
種コマは椎茸菌に塗れた木片で、密封された袋に入って販売されています。
※穴あけドリルの径と種コマの径は合わせておいてくださいね。

穴に種コマを差し込み、カナヅチでトントン。単純な作業ですが、やってみると案外楽しいです。夢中で作業に没頭してしまいます。

余った種コマは冷蔵庫などで保存しておいても雑菌に汚染されるリスクがあるので、穴を追加して使いきってしまった方が良いようです。
原木しいたけ植菌完了

伏せ込み(仮伏せ)

種コマを全部植えたら仮伏せします。
原木に椎茸菌を活着させることが目的で、下に枕木を敷いて、その上に原木を棒積みします。

針葉樹の木の枝で上部を覆うだけの人、ブルーシートで全体を包む人、遮光ネットで覆う人など、その地方や人によって様々な方法があるようですが、寒くて空気中の雑菌があまり動かないうちに椎茸菌の動きだけを良くしてあげることが大切なようです。

椎茸菌が活発に動く環境とは、
温度が5〜20度の間。25度以上は厳禁です。温度管理に気をつけながら、雨が少なかったり、雨がかからない環境の場合はときどき水をかけてあげます。

原木の立てかけ(本伏せ)

仮伏せで活着したシイタケ菌を原木全体に蔓延させます。ちなみに原木に菌が蔓延すると、呼び名が「原木」から「ホダ木」に変わります。ホダ木の寿命は8年程だそうで、その間はほったらかしておいても時期がくれば椎茸が自然発生します。

暖かくなる前に原木の立てかけを行います。
※5月に入り暖かくなりかけて植菌した場合は仮伏せをせずにすぐに立てかけても良いかと思います。

「本伏せは6乾4湿」という言葉があり、湿っているよりも若干乾燥しているくらいの環境が理想のようです。 乾燥というよりも風通しの良い場所という方が正しく、雨があたって乾く、雨があたって乾くという事を繰り返しているうちにシイタケ菌が伸びるようです。

日陰で雨も当たり、適度な風通しもある持ち山があれば一番いいのですが、ない方でも家の北側において栽培することも可能なようです。

※昨今の岡山県の気候は少雨傾向で椎茸栽培にとっては少し乾燥気味のようです。なるべく低くして立てかけると原木の湿度を保てるようです。

ここでポイント!
原木を立てかける時にカナヅチで叩いたり、投げたりショックを与えてみてください。そうする事によって、菌がビックリして原木全体に回りよく生えてくれるそうです。

実際に椎茸が生えてくるのは約2年後。楽しみに待ちましょうね。

いよいよ収穫

少しですが翌年の秋には収穫が出来はじめました。
シイタケの傘がまだ巻いているくらいの収穫時期を見逃さずベストなタイミングで採りましょう。

とても肉厚でジューシーな原木シイタケ、いろいろな料理に使えますが、網で焼いて醤油とバターで味付けして食べるのが一番美味しいですよ!もちろん、フライパンでも美味しくできます。
原木しいたけ収穫

保存方法

保存法も少し紹介しておきますね。

生しいたけのまま保存するには冷凍保存が一番です。
凍ったまますぐに料理に使えるように、予めカットして凍らすのが良いです。凍ったものを解凍すると水が出てしまい風味が損なわれます。

あとは、やっぱり干し椎茸ですよね。
冒頭でも少し触れましたが、菌床しいたけ栽培で季節を問わず椎茸が採れるようになる前は、椎茸と言えば干し椎茸だったのですから。

我が家では縁側にザルに並べて天日干ししています。
干し椎茸
この方法だと少し時間がかかるので、たくさんの椎茸を栽培されている方は食品乾燥機を使われているようです。

当サイトの運営拠点がありますYUNOSHOW/新見市移住交流支援センターのラボキッチンでは食品乾燥機を1回500円で誰でも利用できるようになっております。食べきれないほどの椎茸が収穫できるようになったら我が家も利用したいと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です