梅雨の季節がやってきました。
この季節が来ると思い出す、おばあちゃんとの梅干し作り。
私の実家には、梅の木が何本もあり、いくつもの大きなカゴいっぱいに拾っていました。そして、家族みんなで梅のヘタをくり抜く地道な作業。量があればあるほど、大変な作業でした。やっとそれが終わると、梅干しを作る行程となります。梅干し作りはそれはそれは手間のかかる作業です。この季節がやってきてしまった、、、と、溜息も漏れるのですが、でも、黄色味を帯びた梅がピンッと水を弾く姿を見ていると、今年もやるか!という気にさせられる、そんな梅しごとであります。
さてここで、新見の梅について。3月に紅や白の綺麗な花を咲かせた梅の木は、6月になるとたくさんの実をつけます。この時期はJA直売所でも新見産の梅が出回りますので、自宅に梅の木がなくても、我が家の梅干しを作ることができます。梅雨の合間には、ここぞとばかりに、みなさん大きなザルで天日干しをされています(ホームセンターなどでも、びっくりするくらい大きな竹ざるを売っているんです)。近寄ると梅の香りがし、昔からの手仕事を感じられます。
おばあちゃんの梅干し
おばあちゃんが作る梅干しは、減塩なし。こぼれ種で毎年畑に生える赤じそで色を付けます。
子供の頃は、しょっぱい!!と思っていましたが、こちらの方が保存が効くし、1年2年と時間を追うごとにまろやかな味に変化します。実家には、10年物の梅干しなんかもあるぐらいで、こうなると、もう家宝だなと思うことも(笑
そうそう。梅干しだけでなく、その副産物も存分に味わいました。
梅から滲み出た梅酢は夏場に素麺にかけたり、漬け終わった赤じそは干して『ゆかり』にしたり。これからやってくる暑い夏、汗で塩分を失った体に、梅の酸味と塩気が染み入るのです。
また、梅酢は紅生姜の漬け汁にも使えるんですよ。
聞いたことがありますか?『あま手とにが手』
みなさん、『あま手とにが手』の話を聞いたことがありますか?
梅しごとの際におばあちゃんから聞いた話です。上手に梅干しを漬けられるかどうかは、作る人の手によるのだとか。『あま手』の人が梅干しを漬けると綺麗な赤色になるのですが、『にが手』の人だと綺麗な色が出ないそうです。材料の梅や赤じそを変えたり、使う道具を変えたりしても、『にが手』が作った梅干しは苦手の梅干しなのです。
そんな嘘だか本当だか分からない話を思い出して、少しインターネットで調べてみました。ですが、本当のところはよく分かりませんでした(笑
でも、おばあちゃんの手が『あま手』であることは確かだと、頷くのでした。