車に大荷物を積んでキャンプ場までアクセスし、日の向き、風の強さなどを確かめてテントを張る。寝床とキッチンを整えたら、薪をひろって火をおこし、ビールを飲みながら持ち込んだ食材で野外料理。夜は満天の星空の下、学校のこと、仕事のこと、これからのことを家族で語り合う。
このアウトドア体験。ちょっとした移住体験だと思いませんか?
今回の記事では、ぼんやり田舎で暮らしたいなと思っているファミリーに、まずは田舎で “キャンプ” を提案したいと思います!
キャンプは住んでいる場所とは違うところに、思い描く理想に近い暮らしを自分達で立ち上げ、その環境を存分に楽しむ行為です。レジャーの範囲で行える移住体験だと思うんですよね。
いきなり移住相談会に行って専門家にアドバイスを受けるのも悪くはないですが、その前に実際に移住に近い体験をしてみて、自分たちが理想とする移住の形をイメージ作ることはとても良いことだと思います。
筆者も、移住前には家族であちこちキャンプに出掛けました。海辺のキャンプ場から、富士山が見える見晴らしの良いキャンプ場。針葉樹林に囲まれた林間サイトから釣堀り付きの河原のサイトまで。自分たちはいったいどんな場所が好きで、どんな暮らし方が向いているのかをキャンプしてみて確かめました。
その経験を経て、自分たちの好きな環境、暮らし方を見つけ、今でしょ!と言うタイミングで新見に移住したのです。
そんな訳で、キャンプから実際の移住に至るまでのプロセスを、筆者の実体験も織り交ぜて提案したいと思います!
富士山が見えるキャンプ場
キャンプの旅で家族がハッピーになれる場所を探す!
前述の通り、キャンプは、まずは好きな場所を見つける旅です。
サーフィンやヨットを愛好する人や毎日新鮮なお刺身を食べたいという人は海辺に、山登りやクライミングが趣味の人はそういった場所を迷うことなく移住候補地とするでしょう。
趣味や大好きなことが定まっている人は移住候補地に迷うことはありません。
実は筆者も、独身の頃には海のレジャーで何度も訪れた琉球諸島で海の綺麗さや島の人の大らかさに惹かれ、いつかこの島に住みたいな〜と思っていたものです。その後得た家族はこれには全く同意しませんでしたが(笑
そうなんです!家族みんなが気に入る場所となると、なかなか難しいものです。やっぱり移住地は家族全員が納得する場所にしたいですよね。
筆者の場合、海がダメなら山は?と、結婚後は山のレジャーによく出掛けるようになりました。
その後、子供も産まれ、いろんな場所をキャンプした結果、涼しい高原で見晴らしの良い場所が我が家が好きな場所だと分かりました。
林間サイトは夏でも冷んやりしていて気持ち良いです
田舎の良さを刷り込み!キャンプで田舎暮らし体験!
家族の中で、田舎暮らし願望が一番強かったのは私だったかもしれません(笑
私自身は幼少期を田舎で過ごしました。インターネットもネットショッピングも無い時代、限られた物やサービス、情報の中で、自然を先生に創意工夫して遊ぶ毎日でした。まんまと先生に田舎の良さを刷り込まれましたね(笑
そして我が子は東京生まれの東京育ち。
たくさんの人がいて、お金さえ出せば何でも買えて、あらゆるサービスを受けれるのが当たり前の暮らしです。田舎育ちの私は、何も無いけど何故だか楽しかった田舎を子供達にも味あわせたいと思ってしまったのです。
幸いなことに、都会の子供は田舎をよく知りませんが、偏見もありません!
田舎の良さを刷り込むには最適な時期でした。
小さい子を連れてキャンプに行くのは大変でしたが、甲斐あって刷り込みには成功しました!暗闇や虫などを恐ることもなく、我が子達は田舎もキャンプも大好きになりました。
また、この頃、動物好きな子供を喜ばせようと、キャンプ場近くにある牧場で餌やりや乳搾り体験などをやらせたものです。こういった楽しい思い出も一緒に刷り込まれていたのでしょう。移住すると決めた時、子供は牧場に移住したいと言ってきました。もしかしたら、そういった道もあったかもしれませんね(笑
新見のおとなり真庭市にある牧場
こんな風に、家族が喜ぶ楽しいレジャーも織り交ぜてキャンプに行くと、家族それぞれの田舎暮らしへの想いも高まることでしょう。
奥さんや旦那さんなど田舎イメージアップを図りたい相手が大人の場合は、温泉やその地ならではの食など、少し贅沢なキャンプで演出するのも良いかもしれませんね。
田舎暮らしに必要な実践力をキャンプで身につける!
家族全員が田舎やキャンプを好きになったら、移住までの道のりはそう遠くはありません!それぞれが思い描いている田舎暮らしのカタチがあることでしょう。
キャンプの回数を重ね、移住を家族の目標にそれぞれが田舎暮らしスキル(=生活力)を高める努力をすると良いですね!
より快適なキャンプにするにはどういった道具が必要か、キッチンを使いやすくするにはどう工夫するか、寒さ暑さ対策、たくさんのキャンプ用品をどう整理収納しようか、準備または撤収を素早く行うにはどうすべきか、田舎における食料調達の鉄則などなど。
キャンプを通して、それぞれの役割分担や得意分野なども見えてくることでしょう。
また、家族全員が共通の目的に向かい活動することでチームワークも産まれます。
インターネットの普及のおかげで、一昔前の田舎のように、物や情報が欠けているということはなくなりました。しかし、今でも田舎は、レストランやクリーニングなどの暮らしに関わるサービスが少ないことは否めません。田舎で暮らしていく為には、衣食住などの大抵の暮らしの事を自分たちで賄えなくてはなりません。
キャンプ場という何も無い環境は、自分たちの生きる力(=生活力)を試せる場とも言えますね。
キャンプで身につけたスキルは移住後の暮らしにたいへん役に立つことでしょう。また、例え都会に住み続けたとしても生涯に渡って役に立つ素晴らしい能力です!
移住候補地でキャンプしてみる。
さて、我が家の場合、田舎に移住したいという家族全員の想いが高まってから、家族で移住相談会に行き、移住候補地を決めました。もちろん、移住候補地にもキャンプで視察に行きましたよ♪
私達が視察に行ったのはちょうど子供が春休みの時期で、その時期でも営業していた大佐山オートキャンプ場に宿泊しました。この時はテントでは少し寒いかなとキャンプ場に常設されたいたトレーラーハウスにしました。(現在はトレーラーハウスはなくなり常設テントとなっているようです)
冬でも宿泊可能はロッジもあります!
この時は、大佐山オートキャンプ場をベースに千屋牛を食べたり千屋温泉に行ったりと新見を満喫しながら、市役所の方の案内付きでピオーネ栽培地である豊永地区にも行きました。
実はこの時、春のつもりで軽装で訪れたキャンプ場では小雪が舞い散り、ナビで指定された大佐から豊永に通じる道は冬季通行止めになっていたりと、予想以上の環境の厳しさに触れることとなりました。
もし、市街地の旅館などに泊まっていたら、本当の厳しさを知らぬまま移住して、後で寒い!寒い!と文句を言っていたかもしれませんね(笑
キャンプ場を宿泊地にしたおかげで覚悟ができました!
↑ストリートビューで大佐山オートキャンプ場のキャンプサイトも見ることができます!ご参考に!
冒頭でも述べましたが、キャンプはテントを張り、寝床とキッチンを整え、屋外で調理して、食事して寝るという、一連の暮らしの行為を自分たちで行い、そして仕舞うことです。
この一連の作業は、実は移住当初の暮らしの立ち上げととても似ています。移住予定地でキャンプすることは、リアルな環境での移住予行練習とも言えるのです。
最後に
いかがだったでしょうか?
今回は、レジャーとしてキャンプを始め、キャンプで田舎暮らしを体験する中で移住への想いを募らせ、最後は本当にキャンプで視察に行き、移住を決めた我が家の体験を元に記事にしました。
実際のところ、キャンプをレジャーとして楽しむところから、移住し、そこで生計を立てて暮らしていくという所に持ち込むのは難しいことかもしれません。家族でとなると尚更、、、。
移住先の仕事や生業については、移住相談会で具体的なアドバイスをもらうのが良いかもしれません。ただ、いくら移住相談会で、移住したい本人と移住受け入れ先のマッチングがうまくいったとしても、家族にその気が無ければやっぱり上手く行かないのです、、、。
時間はかかりますが、そんな時はやっぱりキャンプなどで田舎の良さを家族にアピールし続けることです。
移住までは道のりは長いです。
自分自身の移住モチベーションを保つ意味でも、やっぱりキャンプはオススメなのです!
どうですか?この夏は家族でキャンプに行きませんか?
田舎でのアウトドア経験が、移住に向けての大きなはじめの一歩となるかもしれません!