子どもたちへまちの魅力を伝えるパイプ役、田原隆盛さん

子ども世代にこのまちをどう残していくか本気で考え、実行する。
新見市にあるたくさんの魅力を伝えるための活動とは?

このまちで活躍する人を皆さんと一緒に探しエールを贈る「勝手に、にいみアワード」。
2人目は、まちの魅力を子どもたちへ伝えるパイプ役、田原隆盛さんです。

まちの未来を考え行動する有志の集まり「新見みらいづくり会議」。

田原さんはその活動の実行委員長として、「市内の子どもたちに”出前授業”を行い、このまちの魅力を人や産業を通じて伝える(広報する)ことに努められており、これからの新見市に欠かせない人」と、にいみアワードへの推薦がありました。

“出前授業” とは、どのような活動なのでしょうか?
また、どのような想いでなさっているのでしょうか?
田原さんご自身が、どのような未来を想い描き、日頃活動をなさっているのか伺ってきました。

お仕事は新見のガス屋さん!

新見市生まれ、新見市育ちの田原隆盛さん。

お父様の会社を継ぐために経営の専門学校へ進学・卒業後、4年間福山市で修行をし、新見市へ戻り就職。2011年から新見ガス株式会社の代表取締役社長へと就任されたそうです。

nami

新見ガスさんのFacebookを拝見したのですが、実業以外にも活動をされているようですね。

そうですね、積極的にいろいろな活動をしている方だと思います。

例えば、「火育」といって火を体験し価値を知ってもらおうという活動が業界の中であって、昨年は市内の小学生を対象にした、ガスコンロを使った親子料理教室をしました。最近マッチを使ったことがない子どもが多いみたいで、料理教室の合間でマッチの擦り方の講習をしたりしました。中には初めてマッチを擦るという子もいましたよ。

この活動では、人間は火を扱うことで進化してきたんだよと説明しながら、火の大切さを伝えていっています。

今年も、火育の活動として、火起こし体験などのイベントを計画中です。

田原さん

nami

確かに最近はマッチの姿を見ることがなくなりましたね。昔はよく、呑み屋さんとかで配られていたマッチが家にありました。

現在では、家庭にはオール電化が普及してきているので、火を扱う機会が減っているのもあって、火の危険さを体験する子どもも少ないのかもしれませんね。

そうですね。

それを含め、会社ではお客様に安心して安全に使っていただけるよう徹底しています。

田原さん

初めてのマッチ体験

 

2017年に発足した このまちのこれからを考える「新見みらいづくり会議」

nami

新見みらいづくり会議ができたきっかけ、またその会で立ち上がった活動”出前授業”について教えてください。

今まで新見市では、子どもたちのために、、、とJCや商工会青年部、阿哲商工会青年部がそれぞれで活動していたのですが、3年前「僕たちの年代が一枚岩になって新見の未来について考え、活動していこう」と自然発生的に新見みらいづくり会議は発足しました。
そして、会議の中で、新見の子どもたちって新見市の魅力をあまり知らないよねって話が出たんです。だったら、僕たちが行って教えてあげましょうよ!となったのが2年前から活動している”出前授業”です。

田原さん

nami

自然発生的!本当に有志の集まりなんですね。”出前授業”では、どのような活動をしておられるんですか?

小学生の場合は、石灰に含まれている商品は何かわかりますか? というクイズ形式にしたり、千屋牛の碁盤乗りの碁盤を実際に借りて、実物大の牛の模造紙を使って説明したり、乗ってもらってみたり。遊ぶような感覚で体験してもらうことをメインにし、身近に感じてもらえるような内容をメインにしています。

中学生の場合はより未来に繋がっていくよう、その地域で特色ある仕事をされている方を講師に呼び、その人自身を通じて新見市の産業に触れる機会をつくっています。先日、哲多中学校では、地元から日本全国に向けて発信をしているdomain tettaの高橋さんに来ていただき話をしてもらいました。実行委員会のメンバーを含め、今までに約10名の方に話をしていただいています。

田原さん

新見の魅力を伝える田原さん(中学校)

nami

年代に合わせた授業の形を取られているのですね。子どもたちの反応はどうですか?

予想よりも、良い反応です。

一方的に話すのではなく、クイズや体験など飽きない工夫をしているので、楽しんでくれているようです。中学生はとても真剣に話を聞いてくれます。出前授業の最後に子どもたちから”新見をもっと好きになりました”とお礼があると、やっててよかったなと思いますね。来年度も中学校5校と希望する小学校数校で計画しています。

また、青年部と共催で、大学の新入生の歓迎会も実施しています。青年部が大学生向けに新見を知ってもらいたいバスツアーをしているので、その一貫として。このまちで生まれ育つ小中学生だけではなく、各地から新見市へ集まる大学生にも新見の魅力を伝えながら、地元の人で大学を応援したいという想いも込めてます。

残念ながら、今年は中止となってしまいましたが、、、

田原さん

nami

素晴らしいですね! 今までの活動で印象的だったことなどありますか?
授業の導入は、必ず「新見のことを好きですか?」という質問からはじめています。「好きならパー、そうじゃなければグーをあげてください」と子どもたちに問いかけ、手を挙げてもらう形です。
最初は、グーが9割あがるのではないかと思っていたのですが、なんとパーが9割あがったので驚きました。
だからこそ、子どもたちにもっとこのまちの魅力を伝え、ずっと暮らしていきたいと思えるような活動をしていきたいと考えています。

田原さん

千屋牛の碁盤乗り体験(小学校)

 

子どもたちへ伝えたい想い

nami

この活動を通して、子どもたちへどんなことを伝えていきたいですか?

皆さんも感じられているかもしれませんが、”地元に働くところがない” “やりたい仕事がない” という理由で新見市を出てしまう子どもが多いのかなと思います。この活動を通して、”実はこんなに素敵なところがあって、こんな仕事もあるんだよ”と興味を持ってもらえるように、まちの魅力を伝えていけるパイプ役でありたいです。

それに、新見市に限ったことではないんですが、田舎って問題に対して他人事に思う人が多い気がします。人口が減っていたり、空き家が増えたり、ほとんどの人がフーンという感じで、行政が・誰かがしてくれるだろうと自分のこととして置き換えられていないと、活動していて感じます。

僕は、子ども世代にどう新見市を残していこうかと本気で考えています。行政も市民からの声も欲しいから、僕たちが声を上げて行政へぶつける立場になっていきたいと思っています。市民にも想いをもっている人はたくさんいると思うので、潜在的な熱をひろいあげて、実現できるように関係各所へのパイプ役へとなれれば、すこしでも明るい未来になると願っています。

田原さん

nami

自分の住んでいるまちの良さって、私も大人になってやっと分かった気がします。それを田原さんたちの活動によって、子どもの頃から気づかせてもらえるのって、とても羨ましいなと思いました。

新見市の魅力に気づいた子どもたちが、ずっと好きでいられるまち、戻ってきたいと思えるまちになってほしいですね。

最後に、なにかメッセージがありましたらお願いします。

極端な表現かもしれませんが、誰も動かんのなら、自分が動けばいい!くらいの気持ちで活動しています。
僕たちがやっている活動に興味があって、一緒に活動していただける方、一緒に新見を盛り上げていきましょう!」

田原さん

活動を共にするメンバー

 

nami

ありがとうございました。
今回、このような機会がなければ、実際に田原さんがどのような想いで活動なさっているのか知れるチャンスがなかったかもしれません。
自分のまちを未来に残すため、パイプ役となり活動なさっている田原さんに感謝! そして、これからの益々のご活躍を期待するとともに、私たちニミログスタッフも明るい未来につながる活動をしていきたいと思います!

 

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