氏子入りとは?

氏子入りとは?

田舎暮らしで折にふれて登場する氏神様。一体どんな神様なのでしょう。そして氏子入りとは?
私が体験した氏子入りの様子も交えてお話ししますね。

皆さんも子供の頃にお宮参りや七五三などで氏神様にお参りに行くことがあったかと思います。

氏神様とかつての氏子入り

氏神様は同じ地域(集落)に住む人々が共同で祀る神道の神のことです。

現代では新生児が生後1ヵ月前後に初めて宮参りすることで、そのとき赤子を泣かせたり、額に墨をつけたりするのが一般的な氏子入りですね。

ですが、かつては「七つ前は神のうち」と言われ、子どもが七歳になるまでの生死は神さまに委ねられていると考えられていました。その時期を無事通過して初めて1人の人として認められ氏子と見なされたのです。

「7歳で氏子入り」がかつての氏子入りだったようですが、現代でも15歳で改めて氏子入りしたり(成人式とするようです)、他村から来た嫁や婿が結婚式の直後に氏子入りの儀礼をすることもあります。
後で書きますが、まさに私がお嫁に来たのちに行った儀式はこれですね。

現代の都会暮らしでは転勤や引越しなどで地元の氏神様にお参りするということは少なくなっているかもしれませんね。ですが、田舎に行くとこの「氏子」という風習が残っているところが多くあります。

かしらうち

田舎は地域によって、それぞれの氏神様が祀られている神社があり、秋祭りなどの行事はその神社で行われています。御神輿を担ぐところでは、地域の氏子が担当します。

また、新見市では場所によって「かしらうち」といって、地域の氏子である子供や大人が猿田彦や三神などの様々な衣装を来て、大きな太鼓を叩きながらお囃子を歌い、その土地の氏神様に五穀豊穣を感謝するお祭りも行われています。

頭打ち(かしらうち)

頭打ちは新見市の中でも神郷、哲西、哲多地区にだけ見られる郷土芸能で、この地域の秋祭りを彩る中心行事となっています。新見市以外では鳥取県日南町や広島県北部でも見られ、鳥取県では県指定無形民俗文化財となっています。

私が体験した氏子入り

それでは実際に私の住んでいる地域で行われた「氏子入り」について、紹介したいと思います。

私たちの地域の神社は、山の中に小さな社があり、神主さんは常駐していない無人の神社です。そのため、秋祭りの時には遠方より神主さんがお越しくださいます。

結婚をした年の秋祭りには私自身が氏子入りをしました。

そして、子どもが生まれた年の秋祭りには子どもが氏子入りをしました。
子どもの場合、一般的には宮参りの時に氏子入りするのが現代の氏子入りですが、私たちの地域では宮参りとは別に、秋祭りに合わせて氏子入りが行なわれます。

子どもの氏子入りの際には、お供えのお酒と初穂料を用意し、社の中で神主さんに祈祷をしてもらいました。
それから、氏子のお札やお守りなどを授かり、これで無事に正式な氏子となりました。
頂いたお札は神棚に、お守りは母子手帳と一緒に持ち歩いています。

余談ですが、そのあとの秋祭りには地域の家長が集まり、祈祷をしてもらい飲み食いをしてお祭りをお祝いします。お神輿が出るなどの大きなお祭りの雰囲気はありませんが、アットホームで暖かい田舎らしいお祭りですよね。

私の地域のように、氏子入り=宮参りではなく、秋祭りに合わせて行うところもあるようです。

最後に

今回は「氏子入り」にクローズアップしましたが、田舎に移り住んだ時にその土地の氏神様や氏子の風習が気になりますよね。場所によっては氏子入りを強制する所もあるようですが、私の聞いた話の限りでは氏子への強制参加はなく、お祭りなどのイベントの時には手伝いに来てほしいと要請があるくらいだそうです。

ずっと昔からその地におられる、近くの神様、氏神様。
私の場合、知らない土地に嫁入りするという不安もありましたが、その土地の氏神様に見守られるというのは何だか安心でした。

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