自分の住むまちを自分たちの力で住み良いまちにするために。
地域住民と協力しながら、まちづくりをしている大佐田治部地域。
新見市街地から約20分のところにある、大佐田治部地域。
お隣の真庭市方面へと向かう県道沿いにまちが広がっており、JR姫新線、中国自動車道が並行しています。
現在、新見市で推進している自主防災や多機能自治に向けた取り組みのワークショップの開催を予定するなど、積極的に行なっている同地域。
廃校を活用した「田治部ふれあい花まつり」や丹治部駅を利用した「クリスマス会」など、地域の人たちが楽しめるもイベントがたくさん!
地域の声を解決して、安心して暮らしていけるまちづくりにも取り組まれています。
どうしてこのような取り組みが出来ているのでしょうか?
「田治部を住み良いまちへ」と奮闘されている中心人物をご紹介します。
地域づくり人 安立由輝さんのご紹介
新見市大佐田治部在住。
岡山中央郵便局に努められたのち、26歳という若さで田治部郵便局の局長となり、平成25年3月の退職まで同局へ勤められました。
局長時代は、フレーム切手で「新見癒しの名勝遺産」、「新見の奇祭 土下座祭り」切手の発行に携わり、また94局を統括する備中西部地区連絡会地域統括局長としても活躍されたそう。
退職後は、田治部地域振興福祉協議会の会長に。また、田治部地区自主防災会長など、様々な役を務められています。
いま地域でさまざまな活動ができているのは、局長時代に研修などでいろいろな地域を回った経験が参考になっているとのお話。
実際にどのような活動をなさっているのか、詳細を伺ってみました!
nami
どのような経緯で、地域づくりをするようになったのでしょう?
私たちの地域には田治部CI( コーポレートアイデンティティ )というグループがあり、局長時代から参加、会長として赤石山を拠点に登山や整地などの地域交流の活動をしていました。
参加当初から、少子高齢化が進み、特に高齢者の独居が増えてきたのもあって、「助け合い」をしていく必要があると思っていました。でも、住民同士のコミュニケーションがないと仲良くもなれん! ということで、グランドゴルフや赤石山への登山や整備活動などでコミュニケーションの場が作られていたんです。
それから新たに、田治部地域振興福祉協議会を皆とつくり、この地域でどんなことができるのかなどを考えながら活動をしだすようになりました。
ちなみに、田治部CIは代替わり。現在は、4代目の会長の元でビアガーデンやクリスマス会などを行なっています。もちろん私も参加していますよ。
安立さん
田治部地域ってどんなところ?
nami
JRの駅があり、車が運転できない学生の通学時や高齢者の通院・買い物で利用できるので不便さはあまりないかな。ただ、数時間に1本なので計画は必要かもしれませんね。あと、ETC専用ですけど大佐ICや大阪行きの高速バスに乗車できるバス停もあるので、遠方に行くにも便利な地域です。
地域柄は、みんなとても協力的で、イベントを開催するとみんな楽しみに来てくれる。イベントがなくても、地域の若い人にも声をかけて飲み会をするなど、自然と出会いの場が作られていると思います。
安立さん
nami
現に、芸術家の移住者もおりますからね。新しい住人が増えるのは嬉しいことです。
安立さん
地域住民が楽しめるまちづくり
nami
”皆で笑い、楽しみ、交わる場所”。健康教室・交通教室・防犯講座・認知症予防講習を行っており、地区にある「障害者支援療護施設・大佐荘」「特別養護老人ホーム・おおさ苑」のスタッフの方に来てもらって指導していただいています。
校庭も、地域の運動会をしたり、集まりで使ったり。
あと、この学校のプールには屋根が付いていて、何かできないかと考えている時、廃校当時の支局長から花を作ってみてはどうかと提案があり、現在の「田治部花いっぱいのまちづくり」の活動が始まりました。
安立さん
nami
たくさんの有志の協力を経て、サルビアやマリーゴールドなどの花を作って、田治部地域全戸に配っています。他にも福祉施設、駅、郵便局、支局、こども園、小・中学校などの公共施設にも配っていて、まちが花でいっぱいになっていて、皆さん喜んでくれています。
現在は、育てた花の販売や地域の人による屋台、子どもが楽しめるコーナーなどを設けて、地域全体で盛り上げる大きなイベント開催ができるようになりました。今年は、新型コロナの影響で開催は中止にしましたが、花を配って少しでも皆さんの癒しとなるよう百日草を育て、各家庭や施設へお配りしました。
安立さん
nami
当初の利用時間は6:00〜22:00で、夜中に子どもが病気をすると高速へ乗るために一度新見まで出んといけんかったし、高速で夜遅くに帰ると時間外なのでこれも新見まで出んといけんかって、、そんな話を聞いていると、どうにかしなくてはと思い立ち、お盆の暑い中みんなの協力で大佐ICを利用する車1,000台と、周辺の地域にもアンケートをとって、市長へ要望書を提出。その活動が実って24時間利用できるようになり、夜間でも高速が使える安心なまちへ近づきました。
安立さん
nami
安立さん
ライターから一言
約160戸600人からなる田治部地域。
安立さんが会長を務める田治部地域振興福祉協議会だけでなく、他の団体や地域住民が協力し合うことで、住み良いまちづくりがなされていました。住民が楽しめる場があるから、自然と協力体制が整ってきたのかもしれません。
また、支局や業者などとも連携できる仕組みができているからこそ、大きなイベントも成功させれているのだと感じました。また、地域住民が楽しんでもらえることが安立さんの力の源なのかもしれませんね。
取材に伺った後日、地方新聞の備北民報で安立さんのお名前を見かけました。
「春の叙勲」が発表され、郵政事業功労で瑞宝双光章を受賞されたと掲載されていました。
記事には、なんと趣味は「地域貢献、地域活動」。
局長時代から、地域のために走り続けてきた安立さんらしい言葉です。アイデア豊富な安立さんだからこそ、今の地域活動へとつながっているのですね。
これからも、お身体に気をつけて田治部地域を盛り上げていってほしいものです。
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