ぶどう農家でニミログライターのshinoです。
前回は柚子ジャムレシピを紹介させてもらいましたが、今回、作ったのはキウイジャム!
鮮やかなグリーンと酸味が、寒く薄暗い冬の朝に元気をもたらしてくれます。
ところで、キウイは寒い時季の果物だって知っていました?
農家になるまでは、あの酸味や鮮やかな色からして、キウイはてっきり南国のフルーツかと思っていました。キウイは実は寒さに強く冬場-10度程度の地域でも栽培が可能な果樹なんです。
キウイについて
キウイはマタタビ科のつる性の落葉果樹で、日本での商業栽培は温州ミカンなど柑橘類余剰対策の転作作物として始まりました。国内のキウイ産地はミカンの産地でもあるんですね。
キウイの主力輸入先のニュージランドが南半球に位置するため、収穫時期が国内産と重ならず、海外輸入品と競合することなく、生産を相互補完しているようです。
(私が夏の果物だと思って食べていたキウイはニュージランドのキウイだったようですね)
樹になっている時点ではとっても酸っぱく、猿も盗らないみたいで、我が家のまわりでは、手のかからない、おうち果物として、畑の脇などによく植えられています。
だいたい、ぶどうのシーズンが終わる11月頃に一度に収穫し、同時期に採れるりんごと一緒に箱に入れて追熟させます。
雌雄異株で2本植える必要がありますが、10mくらい離れていても受粉するようで、雌株を藤棚のような棚仕立てに、雄株はほんと畑の隅にひっそりと植えてある家が多いです。
煮込み過ぎに注意!キウイジャム作り
柚子ジャム作りの時にも書きましたが、植物が持つペクチンという成分が糖と酸と一緒に加熱されてジャムにとろみを生み出します。キウイ自身の持つペクチンの量は果物の中では中程度、柚子の1/5くらいしかありません。
そして、加熱。
加熱すればするほどゲル化は進みますが、同時にキウイの色鮮やかさが失われていきます。
今回はきれいなグリーンとゴロゴロとした食感を残したかったので、とろみ少なめのレシピです。
RECIPE
キウイジャム
材料(250mlビン2つ分)
キウイ 750g(中サイズが10個)
グラニュー糖 220g(キウイの量の3割)
柚子の果汁 大さじ2杯くらい ※ポッカレモンでOK
作り方
キウイの皮を剥いて、薄めのイチョウ切りにする。
すべての材料を入れて軽く混ぜ、30分以上置く。
キウイから大量の水分が出てきます。
その間にジャム瓶を煮沸します。
ゴムベラやお玉など調理器具も煮沸します。
あくをとりながら煮詰める。
程よい硬さになったら、瓶に詰める。
冷たいお皿に取って硬さを確認します。少し緩いですがキウイは煮込みすぎると鮮やかな色が失せてしまうので。
瓶を逆さにして冷ましたら、完成。
ラベルで遊んでます
だいぶサラっとしたキウイジャムになってしまいました。
もっととろみを出したい時は、砂糖の量を増やしたり、キウイをフードプロセッサーにかけて果肉を崩しておくとペクチンが出やすくなります。市販のペクチンを付加したり、柚子しごとで出た種を入れてペクチンの量を増やすことも素早くゲル化させるのに有効だと思われます。
また、キウイは熟度によって酸味、甘みも変わりますので、熟し具合によって何度か作り、好みの塩梅を見つけられると良いかと思います。
幸い、キウイジャムは柚子ジャムに比べたら、遥かに少ない行程で作れますよ。
ジャム瓶について
ジャムの容れ物であるジャム瓶。
あのぽってりしたガラス瓶をいろんな色で満たして並べたくて、せっせとジャム作りをしているような気がします。
ジャム瓶をいろいろ試してみて、分かったことをここで少し紹介したいと思います。
オススメはズバリ中央の350mlジャム用瓶!
蓋がプラスチック製など煮沸や密封に難があったジャムは冷蔵保存して早めに使います。
まず、ジャム瓶は口が広くないといけません。私は鍋から瓶にジャムを入れる時にお玉を使うのですが、口が小さいと入れずらく、こぼしてしまいます。
また、深さは浅い方が使い勝手が良いです。スプーンが底まで届かないと下の方のジャムを取る時に指がジャムまみれになります。
あとは、皆さまも経験ありますよね。「蓋が固すぎて開かない!」という事態。
蓋を少し温めると大抵は開きますが、それでも手に目一杯力をかけます。面取りされた蓋の方(写真中央の瓶)が手が痛くないです。
初めてジャム作りをした時、もれ出ないように力いっぱい蓋を閉めてしまい、いざジャムを食べようって時に開けるのに苦戦しました(汗
熱いジャムは冷えると瓶内の気圧が下がり、蓋が固くなります。熱い状態では心持ち軽めに閉めるつもりで良いと思います。
ジャム製造販売には『かん詰め又はびん詰め食品製造業』の食品営業許可が必要です!
我が家では、自分たちが食べる分しか作っていませんが、「ジャムを売ろう!」となると、“かん詰め又はびん詰め食品製造業”という食品営業許可が必要です。
興味のある方は以下の記事をご参考くださいね。
さて、キウイジャム、いかがだったでしょうか。
例年ですと、キウイジャムは柚子ジャムに続いて年末に作っていたのですが、今年は遅れてしまいました(汗
が、キウイって日持ちする果物なんだと改めて知ることができました。りんごでの追熟を調整すれば、恐らく冬の間中、キウイを楽しめるのではないでしょうか。
また、キウイは食べ物として以外でにも、夏はキウイ棚が日よけに、剪定した蔓はリース台や籠作りなど、クラフトの材にもなります。
もし、お家にちょっとした庭があるようでしたら、是非苗を植えてみてください!田舎暮らしが鮮やかに彩られるに違いないです!