前回、家庭菜園で作ったお野菜を農産物直売所で売る方法を紹介させていただきました(前回の記事はこちら)。今回は、趣味の延長や副業としての農ではなく、農家になる方法を紹介したいと思います。
みなさま、ここ近年、農家に憧れて移住を決意する若者が増加していることをご存じですか。
農業に対する世間の関心が高まり、この数年でビジ ネスマン向けの経済誌やこれまで農業とは縁のなかった若者向けの雑誌で農業が特集されることが多くなりました。さらに、週末に農地を借りて野菜を作ったり、都会のビルの屋上やベランダで 野菜作りを楽しんだりする人も増えているというのですから驚きです。
平成28年新規就農者調査によると、49歳以下の新規就農者が3年連続で2万人を超えたという統計も出ているのです。中でも農家の出身でない人の就農が目立つそうで、これは、 農業に対するイメージが変わったこと、長年にわたる不況の影響で農業が転職先や就職先の選択肢の一つになったためと思われます。そして何よりも規制緩和が進み農業生産法人が多く設立されたことが大きく関係していると言えるでしょう。従来、農家の出身者でなければ農業に就くことは難しかったのですが、十分な資金や技術がなくても法人に雇用されることで就農しやすくなったのです。
では、農業法人に雇用されるのではなく、自らが個人事業主として農家になるためにはどのようにすればよいのでしょう。
新見で、
ぶどう農家になる!トマト農家になる!リンドウ農家になる!
その方法を紹介したいと思います。
STEP1-1:自治体に就農相談
東京や大阪などの主要都市部では年に30回程度のセミナーや相談会を開催しています。そこでは各都道府県や市町村がブースを広げ、それぞれの地域で行われている農業の特徴や自治体からの支援策、生活環境などを紹介しています。「就農してみよう!」と思い立ったら、まずはこういった場に参加し、就農までのイメージを固めていきましょう!
(以前投稿しました相談会の様子はこちらをご覧ください。移住相談会出展レポート)
以下、この段階で行うと良い具体的なアクションです。
- 営農・生活に関するプラン設計(+栽培品目の絞り込み)
- 自己資金の整理
- 家族との話し合い
- 就農候補地の決定
STEP1-2:農業体験をしてみる
『百聞は一見に如かず』まずは、現地を見てみようという方は、実際に行ってみましょう。新見市の場合、実際の農家さんのところで行う日帰りから一週間程度の短期の農業体験を自治体でコーディネートしてくれます。是非、この機会に実践作業を通して、自分が農家になるイメージを固めてくださいね。
新見市の農業体験案内(市役所HP)はこちら!
STEP2:地域就農オリエンテーション・体験研修
新見で農家になろう!と決めたら、今度は受け入れる地域の関係者による面接が行われます。それまでに、営農・生活に関する大まかなプランや自己資金の整理、家族との話し合いなどを終えておきましょう。
面接をパスしたら、次は1ヶ月の体験研修です。
のちに実務研修を受ける農家さんのお宅で行う体験研修です。この体験研修中に農地、住居を探します。研修先の農家さん、面接のときの関係者の方たちが親身になって農地・住居探しをサポートしてくれます。
- 候補地の市町村を訪問する
- 体験研修に参加する
- 就農計画を立て、就農認定を受ける
- 農地・住宅を確保する
STEP3:農業実務研修(2年以内)
体験研修を受けた地域・品目(ピオーネ、トマト、リンドウ)で、独立・自営就農するための実践研修を受けます。研修費(※農業次世代人材投資事業(準備型)の活用→就農する人に対して年間150万円を最長2年間交付する制度)を受給しながら、受入農家さんのもとで栽培技術や知識、経営を学んでいきます。この段階では、地域の方と信頼関係を構築していくことも重要なポイントとなってきますので、農業実務研修に入る前に引越しを完了させるのがベターです。
- 移住
- 実務研修
STEP4:農家になる
体験研修・実務研修を受けた地域と品目で就農します。経営が不安定な初期段階は支援制度(※農業次世代人材投資事業(経営開始型)を引き続き活用→就農して経営が安定するまで年間150万円を最長5年間交付する制度)を活用しながら軌道に乗せていく努力をしていきましょう。農業経営が安定したあかつきには、先輩就農者として就農セミナーなどで体験談を語ったり、研修生の受け入れ側として、地域農業の活性化に努めていきましょう。
さて、今回は新見に移住してぶどう、トマト、リンドウ農家になる方法を紹介しました。
さあ、皆さんも新見で農業を始めてみませんか?
新見市の新規就農案内 (市役所HP)はこちら!http://www.city.niimi.okayama.jp/kurashi/kurashi_detail/index/2247.html
農業次世代人材投資事業について詳しく知りたい方はこちら(農林水産省のHP)をご覧ください。