田舎のおトイレ事情というと、昔おばあちゃんちに行ったとき見た「ボットン」をイメージしますよね。
昔ながらの時代を感じつつも、田舎暮らしのハードさを感じるこのおトイレ事情。実情はどんな感じなんでしょうか？
今回は気になる田舎のおトイレ事情を費用も踏まえてご紹介します。
田舎暮らしをしたい!という方はぜひ参考にしてみてくださいね。
汲み取り式
まずは冒頭でもお話した「ボットン便所」とも言われる汲み取り式の下水です。下水道が整備されていない地域で、浄化槽から排出する用水路などが無い場合には汲み取り式を利用することになります。
便槽には後程お話しする浄化槽のような処理機能は無いため、便槽がいっぱいになる前に汲み取ってもらう必要があります。基本的に、汲み取り式はトイレの排水のみ、地下の便槽に溜めるタイプ。便槽が一杯になったら業者に依頼してバキュームカーで一気に汲み取ります。
古民家を購入すると昔のままの設備なことが多く、汲み取り式である可能性は高いと言えます。なので初期費用を抑えたいという方にはおすすめのおトイレ設備になっています。
ただしデメリットとしてはやっぱり衛生面。
便器の穴の下がそのまま便槽となっており、便座と便槽の間にフタが付いている物もありますが多くの場合汚水の臭いがします。
定期的な汲み取り費用・費用システムは各地方自治体によって異なりますが、相場は160円/18ℓぐらいです。汲み取りは自治体や自治体が委託した業者が行っています。例えば私が住んでいる岡山県新見市の場合こちらの委託業者が行っています。
環境管理有限会社
簡易水洗
最近では、同じ汲み取り式でも、見た目は普通のトイレと何ら変わりない簡易水洗の汲み取り式トイレもあります。
簡易水洗の見た目は一般的な水洗トイレで、便器と便槽の間に水で蓋をすることで汚水の臭いが漏れることはありません。こちらが大きなメリットと言えます。
しかし、ボットン便所のタイプと比べると水洗で流す水が増えるために便槽に汚水が溜まるペースが早くなり、汲み取り頻度が高くなります。また、月の水道料金も加算されるため、ランニングコストが少しお高めになります。
合併浄化槽
そもそも浄化槽とは、簡易的な下水処理を各自で行って、川や海に綺麗な排水として流す方法です。一部を除き、浄化槽はトイレ以外にもキッチンやお風呂など、生活排水全般を処理します。
浄化槽は「合併浄化槽」「単独浄化槽」「集中浄化槽」「個別浄化槽」の4種類がありますが基本的に私たちが利用するものは「合併浄化槽」です。
その中でも合併処理浄化槽はトイレの汚水だけでなく、台所、お風呂の生活雑排水も一緒に処理する浄化槽のことです。ＢＯＤ除去率90%以上、放流水のBOD濃度20mg/L以下になります。
導入当初は浄化槽の容量が大きく、設置には大きな敷地が必要で、設置する場所が限られていましたが、現在は小型化していて導入しやすくなっています。
参考）和歌山県清掃連合会
生物が水中にある有機物を分解するのに必要とする酸素の量（mg/l）を表しています。
河川の汚染度が進むほど、この値は高くなります。
浄化槽には使用人数により大きさが異なります。
【5人槽】
本体費用：40－60万円
工事費：40－55万円
【7人槽】
本体費用：50－90万円
工事費：50－60万円
【10人槽】
本体費用：60－130万円
工事費：60－70万円
面積ごとの浄化槽サイズ目安は以下を確認してください。
- 130㎡（約40坪）以下→5人槽
- 130㎡（約40坪）以上→7人槽
- 2世帯住宅→10人槽
浄化槽の基本料金も地方自治体によってそれぞれ異なります。
例えば私の住む岡山県新見市の場合、一般住宅だと月々、基本料金が¥1650、さらに世帯人数により一人¥550がかかります。
こちらもぜひ参考にしてみてくださいね。
まとめ
いかがだったでしょうか。田舎ではいろいろなおトイレの選択肢があり、皆様の予算や希望、また立地によって自分が使いやすいものを選択することができます。
とはいえ、古民家を購入するとかなりの初期費用がかかるもの。お金を大切に使うためにもいまある補助金・給付金は上手く活用しましょう。岡山県新見市の場合、空き家改修にかかる費用を最大200万円補助してくれる制度などもありますのでぜひ調べてみてくださいね。
