森を食べたい / 何を植えよう〜my plants file作り〜_話07

何を植えよう

私が新見市、その中でもさらに西北端の場所を選んだ理由のひとつが ”寒さ” だ。

植物は一つ一つ違った個性を持っている。暖かいところが好きだったり、日陰が好きだったり、ある木と一緒にいたいものだったり、大きく育ったり。

もしお家の周りに適当なスペースがあって、自由に使ってもよかったら?お庭事情だが、最近はお手入れのことを考えてコンクリート舗装のモダンなデザインに施工する事例が多いらしい。土地の設計を勉強する立場としては是非、草木を。と思う。また、ハウスメーカーが売り出す団地の住宅では街の緑地化計画などで家周りに植える木の本数が決められていて、メーカーが取り揃える樹種の中から選んで植えなければならないような物件もある。

普段から植物に興味がある人であれば問題なく選択できそうだが、そうではない人たちにとって植物選びは少し勇気がいることかもしれない。大きくなりすぎたらどうしよう、枯れてしまったら、虫がついたら。。。?いろんな不安が思い浮かぶ。私も同じだ、が、植えないと何も始まらないので、できるだけその植物の個性を調べて注意しながら植えていきたい。

My plants file(植物リスト) 作り

すごく楽しいフェーズ。植物の持つ個性とか生態とか、そういう難しいことはとりあえず置いておいて、自分の好きな植物、育ててみたい植物、食べてみたい植物のリストを作る。空いている土地があって何か植えたい、という方は是非一度作ってみていただきたい。

一般的な名前、例えば「サクラ」とかでいいので、どんどん書き出していく。なかなか思い浮かばない、という場合は図鑑や関連雑誌を開いてみたり、好きな果物の名前を書いてもいいだろう。ゆっくり時間をかけて、思いつく度にリストに追加していく。

ある程度書き出したら、ここからは調べものの時間。

何を一番に調べるか、というと「学名」だ。

植物の調べ物をしていると見かける、植物名の横に ローマ字斜体 で何か書いてある、あれが学名だ。

なぜこれを一番に調べるかというと、実は、同じ俗称がついた植物がいくつもあったり、サクラやモミジのように、総称の括りが大きく、その名の植物が実は存在しない、なんてことがある。学名は分類学に沿ってつけられた、一つの植物に一つの世界共通名称になるため、学名で調べることで「違う植物を調べていた!」なんて間違いが防げたり、他言語でより多くの情報が入手できたりするわけだ。

学名検索おすすめサイト:「植物和名ー学名インデックス YList」

調べておきたい個性

学名がわかったところで、植えるまでに必要な情報を確認しておきたい。耐寒性、樹高、樹冠幅、日当たり、適正土壌は最低限押さえておきたい。

耐寒性

アメリカにはUSDA (アメリカ農水省)が作ったHardiness zone という耐寒性マップがある。華氏5F刻みに各地域の年間最低気温平均値を元にクラス分けし着色された地図で、日本にも同様の地図がネットで見つけられる。日本の植物図鑑に耐寒性を数値で書いているものに出会ったことはないが、アメリカやイギリスの植物データベースだと耐寒性がこの数値で示されていることが多いため、とても参考になる。ちなみに新見市は地域によって8a〜7a(−12.2°C 〜− 9.4°C)〜(−17.8°C 〜−15.0°C)の幅となっている。

樹高

木の高さ。低木か高木かは分類でわかるが、植える時や設計時には大体の数値が必要になってくる。注意が必要なのは、調べているデータがどこで取られたものかということ。情報源が国内で年間最低気温平均値が自分の地域とある程度異なる地域で取られたデータ、又は海外の場合、植物の成長が異なる場合がある。暖かい地域の方が大きく成長する可能性があり、寒い場合は反対のことが言えるということ。木の成長は気温だけで変化するものではないが、その可能性は視野に入れておいて損しない。

樹冠幅(枝張り)

幹の太さではなく、成長して枝が張った時の端から端の大体の長さ。これも植える時や設計時には大体の数値が必要になってくる。近くに建物がある場合や日陰になっては困る畑などがある場合、影にならないように剪定する手間を省くためにも知っておきたい。問題は、樹冠幅が書いてある日本語の情報源が少ないこと。図書館にあるような大図鑑には書いてあったりするが大抵貸出禁止だし手に入れるには高価だ。英語になるが、イギリスのキューガーデンや私が愛用するPlants For A Futureのデータベースには枝張りの記載があるが、日本固有種の情報量が薄かったりなかったりするのが難点だ。枝張りのデータが簡単に手に入る日本のサイトがあれば是非教えていただきたい。

日当たり

日向、反日陰、日陰、どれが好きか。住宅地で植える場所が限られている場合、植物が制限されがちになるのがこの条件だ。また西日に弱いものは特に記載があるでみておく。

土壌

多くの樹木は水捌けが良い中性から弱酸性の土壌を好むが、酸性に傾いた土壌を好んだり、沼地のように豊富な水を好む植物もあるためみておく。

その他

最初に気になるところだが、どのような使い道があるのか。食用になる部分があるとか、薬草であるとか、鳥が集まるとか、染物の原料になるとか。生垣や防風林、木材に適した樹木など植物の特性を生かした使われ方が記載されている場合は要チェック。

相互チェック

ここまで調べたらようやくサイトアナリシス(森を食べたい / 土地を知ろう_05)

森を食べたい / 土地を知ろう_05

で調べた自分の土地に合うかの相互チェック。合うとすればどこがベストか、ここからが設計だ。

これらを調べた結果、私の植物リスト中には、耐寒性があるもの、むしろ寒さがないと実がつかないものがいくつかあった。そのため、植物の寿命と今後の気候変動を考えると、なるべく寒いところの方が無難ということで、その他の地理的条件と複合して今の地域に絞ったというわけだ。

 

新見市は自然豊かで草木に囲まれている。約86%ある森林のうち約60%が人工林、ということは面積に対して約34%にスギ・ヒノキ以外のさまざまな木が生えていることになる。日常で目にする確率は高い。見かけた植物を特定するのはまた別の話だが、身近に置いておきたいと思うような樹木に出くわしたとき、とことん調べてMy plants fileに追加していくのもいいかもしれない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。