梅雨があけたかどうかもわからないくらいには暑くなってきましたね。 じめじめから蒸し暑さがましてきたので、熱中症にはくれぐれも気をつけてください。田んぼの方はどうかというと、最近は降ったり止んだりなので、水も心配するほどないわけでもなく安心。
そして、1番のニュースは、穂が出てきたこと!
ということで、前回に続き、今回も田んぼネタでいきます。
田んぼづくりの概要と導入のお話をしましたが、今回は家の裏にあった棚田復活の様子をお伝えします。
30年近く耕作放棄地となった大地をどう再生したのか?
前回紹介したように「田んぼには何が必要か」を踏まえて棚田ができるまでを書いていきますが、あくまでもど素人がやった作業。
これが正しい正しくないはわかりませんので、そこは予め了承ください。
田んぼをやるにはまず何が必要か?
田んぼと聞いて、田んぼをやるにはまず何が必要だと思いますか? 私は最初に「農地、太陽と水」と思ったんです。
まぁ、間違えじゃないですよね。 これらがないと、そもそも実際に作れないですし、、、
前回もご紹介しましたが、これを分解すると
・コメを作る農地が確保できるのか?
※もし移住したいのであれば、そもそも住みたい家に田んぼにできる農地があるのか見ておく必要あり
・その場所は、家からどの程度近いのか?
・現役で作られている土地なのか、農作放棄地になっているのか? もし放棄地ならどの程度作られてないのか?
・平か? 猪等害獣にやられてないか? 管理されているのか?
となります。
では、実際、我が家はどうだったのか。
・コメを作る農地が確保できるのか? > できた!
・その場所は、家からどの程度近いのか? > 真裏で近い!けど道がないので機械類は一切持っていけず。。
・現役で作られている土地なのか、農作放棄地になっているのか? もし放棄地ならどの程度作られてないのか? > 30年放棄地。。。
・平か? 猪等害獣にやられてないか? 管理されているのか? >草刈りはされたけど、それ以外はぼこぼこで。。。
ということで、実際のところをお話していきたいと思います。
まず、我が家が棚田にした田んぼのご紹介!
あれ?想像したよりも綺麗?
そうなんです。
長年、基本的な草刈りを土地のオーナーさんが、すごく丁寧にしていらっしゃったので、かなり綺麗な状態です。
ただ、水路が全て埋まってしまっており、水が田んぼだったところに出て、土はぬかるみ、猪の被害はすごいことに。。。
どうやって水を管理できる「田んぼ」にするか?
前述の通り、田んぼだったところはぬかるんでしまい、とてもすぐ使える状態ではありません。
まずはこの水を抜く為に、田んぼの「際」を掘っていきました。
こうして掘ることで水を田んぼとなる場所に入れず、溝へためて流すことが可能になります。
これ全てシャベルでの手作業です。
今年はまず2枚から。(田んぼってみなさん1枚2枚と数えるみたいです!)
そして次に、畝(うね)及び歩くところを作らないといけないのですが、上記写真を見てわかるように、「田」となるところと「歩く部分」の面がほぼ同じ高さなので、水をためれません。
ということで、溝の周りを高くする必要がありまして、、、
田の中を一生懸命シャベルで掘り畝に土を積む作業を2ヶ月程やっていました( 冬だからできる作業でした…)
これがある程度形になると、、、
こんな感じ。
溝の周りが一段高くなったのがわかるでしょうか?
よし、やっと一息! と行きたいところですが、そうは行きません。
我々の棚田は冬季湛水不耕起栽培*というのをベースにしてやろうと思ってますので、
冬のうちに水をはることが重要にもなるので、次は水を確保することが急務になります。
次は水路を確認していきます。
冬季湛水不耕起栽培(とうきかんすいふこうきさいばい)」:「冬期湛水」と「不耕起移植栽培」の組み合わせによって育まれる「生きものいっぱいの田んぼ(生物資源型農業)」です
こんな状態で、池にも水が少しだけ。
そしてここから下に流れるはずの水路もほぼ埋まっている状態でした。
これまたシャベルで掘り上げていき、、、
写真の通り、水を呼び込むことができ、徐々に水が増えてきました。
そして、2月上旬、この水が少しづつ安定的に出だし、春先に結構な雨が降ったおかげで、結果以下のようになりました。
田んぼに水がたまるだけでも全然風景が違ってきます。この時の達成感といったら・・・!
実は、このあと何度も穴があき水が抜け。。。を繰り返しましたが、なんとか形となりました。
稲を育てる
次は稲を育てていきます。 コメを作るんだから種となるのは当然お米。そんな当たり前なことすら驚いてしまいました。
最初は育苗箱という箱に専用の土を入れて、お米をいれて芽を出します。この頃はまだまだ霜も降りる時期なので、こうやって幌(ほろ)のような物を被せ、若い稲を日差しからも守っていきます。
そしてある程度気温も暖かくなり大きくなってきたら、次は田んぼとなる場所に移動させます。
自然の水と環境で育てていき特定の大きさになったら、いよいよ田植えです。
※大きさはどうやって育てていくかによって違うので、これといったサイズはここでは示していきません。
さぁ、いよいよ田植えです! 今年は5月17日から順次棚田から下の田んぼへと移動しました。
苗箱は40ほどあったのですが、一つ一つを移動するのは、重いやら移動やら田んぼまで距離があるやらで大変。
単純作業だけど時間もかかる。 本当に農作業は煩悩もってやると大変。悟りを得た気分になります。
田植え直後は細すぎて何も見えないけど少し大きくなってくると緑ががってきます。
もう嬉しくてなんとも言えない気分です。
よりよい田んぼづくりに向けての工夫
と、試行錯誤しながら最初の田植えまでこぎつけたわけですが、まだまだ工夫の余地あり。
まず、水温と生育スピード。
稲は水ができるだけ暖かい方が良いとのことなのですが、ここは谷の水を直で入れてしまっているのが原因で育ち方がゆっくりとなってしまったことが、来年への課題です。
とりあえず取水口からプールのようなのを作り、そして水を温めてから田んぼに入れるようにしようかと。
また、来年は棚田をもう2枚増やすので全体的なレイアウトをそろそろ考えないとなという時期ですね。
ちなみに際はもう掘ってあるので、水がジャージャー出てます。
(今年の稲刈りも未だですが、もう来年のことを考えておかないとなのです!)
あともう1つは、鳥獣対策。
特に、我が家の周りには猪が住んでいるのですが、田んぼの中には彼らも入ると聞きます。
猪が入るとお米も臭くて食べれないとなるので、田植え後、急遽電柵をしました。
こうすると少しは安心です。
色々な努力が実り、冒頭でご紹介したとおり、やっと稲穂がでてきました。 あぁ、ここまできたんだな〜と感動しています。
が、まだまだ猪からの被害はありうるので対策を継続していきます。
おそらくあと1ヶ月半程度で稲刈りとなることを祈りつつ最後を頑張ります!
普段リモートの仕事をしながらもこういった大地と触れれることができる田舎の暮らしは新見市ならではです。
悪くないでしょ?