抑制栽培とは? 山の気候を使った農業のスタイル

旬の時期はもう終わったのに、まだスーパーにトマトが並んでいるのはなぜ?!

レタスやキャベツは1年中買えるけど、どうして、、、?!

それは、農家さんが工夫して生産しているからです。

「抑制栽培」という言葉を聞いたことがありますか?

通常よりおそく種をまき、露地栽培*のお野菜との旬をずらして出荷するスタイルの栽培方法です。

一言で抑制栽培といってもその方法は様々ですが、大まかに言うと、高冷地などで自然の立地条件を利用する場合やビニールハウスなどの人工的設備を利用する場合があります。

今回の記事では、その抑制栽培の詳細と先行事例をご紹介します!

*露地栽培:野外の畑で栽培すること

そもそもが知りたい。なんで抑制栽培をするの?

買い物

 

露地栽培と時期をずらして生産・出荷することで、高い値段で売ることができるのが大きな理由。

工業製品でもそうかもしれませんが、特に農作物は、需要、供給のバランスによって価格は変わります。

例えば、今の時期、なす、トマト、きゅうり等は旬で市場にどっと出回り、単価が下がります。

反対にこれらの野菜が出回らない時期に、工夫して栽培し売ったら高く売れます。

当たり前の話かもしれませんが、他の地域が作れない季節なので、農家さんの競争相手が減り、市場、販売価格を高く保つことができるということですね。

どこで、どんなものが作れているの?

キャベツ畑

群馬県嬬恋村のキャベツ畑と浅間山

 

八ヶ岳(長野・山梨),浅間山(長野・群馬)の山麓で、キャベツやレタスなどを生産するのが有名な栽培例。

特にレタスは、気温にデリケートな野菜で、15℃から20℃が最もよく生育するそう。

春に平野の露地栽培が出荷した後、夏に山(高原)の冷涼な気候をいかして出荷することができるというわけですね。

 

電照菊の

愛知県の渥美半島の電照菊

 

 

また、冷涼な山だけではなく、暖かい気候を使う抑制栽培の例も。

菊には、日照時間が短くなると開花するという性質があり、その性質を利用しお花が形成される前に人工的に光をあてることにより開花時期を遅らせているのが電照菊。冬の間に降雪の心配のない、愛知県、大分県、沖縄県などで盛んに栽培され、葬祭等で1年中需要がある菊を出荷しています。

*菊はその種類によって開花時期が異なり、露地栽培であっても夏菊(5~7月)、夏秋菊(8~9月)、秋菊(10~11月)、寒菊(12~1月)があります。

山の気候を使ったトマト栽培

そして今、私が住んでいる岡山県の新見市という町でも、抑制栽培として冷涼な気候を活かしながらビニールハウスを使い、トマト生産を行なっている山間部があります。

 

中には、2017年に就農*なさり、2年目にして生産性が高い(品質・生産量が高水準で出荷額が高い)ということで表彰されている農家さんも。

農業というと、ひたむきに頑張り経験を積み、長年の苦労の末ようやく収入を得るというイメージがあるかもしれませんが、工夫して行えばそんなことばかりではない?!

前述したトマト農家さんは特別な事例かもしれないですが、山で行う農業の可能性を感じる話ですよね。

また、山地とはいえ温暖化の影響を受け年々気温が上がってきている背景を踏まえ、実験的にトマトのハウスで夏場の高温対策をAIを用いて行なっているそう。

いわゆる国が掲げている「スマート農業」ですね。

これからどのように活用され、新しい農業のスタイルが確立されていくか楽しみです。

ニミログライターが感じる農業 〜注目のトピックは「スマート農業」と「小さな農業」〜

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ライターより

いかがでしたでしょうか?

「抑制栽培」についてのイメージが膨らみましたか?

実は、抑制栽培の反対で「促成栽培」といい、通常よりも早めに収穫・出荷する栽培方法があります。

どちらも旬の時期とずらして生産をし、出荷するスタイル。

「なす、きゅうり、トマト、キャベツ、レタス」といった野菜たちが年中スーパーに出回っていますが、これは促成栽培、露地栽培、抑制栽培などの幅広い作型を組み合わせることで可能になっているということなんですね!

旬のものは本当に美味しいし、それだけ食べれば生きていける!!と思うこともありますが、やはり、人間わがままなので、いつものサラダやおかずが食べたいと思ってしまうもの。

今回の記事を書くにあたり、農家さんの工夫あって、私たちの日々の食卓や外食の楽しみが支えられているのだと、改めて感じました。

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